まみどり図書室は三階の西端にある

私は大昔、ちびで道端のビーズを拾い集めていたころ本が好きでした。
ミルクのような本です。甘い本です。わくわくしてとても楽しい本でした。
好きでした。
しかしそれを卒業した後用意されたのが煎茶のような本でした。
そりゃあ今ならその渋みもうまみもご存知ですけどミルク卒業して即刻煎茶って。
本が嫌いになりました。
嫌いというかただ単につまんなく感じました。
順番がおかしかったのです。きちんと順序を踏めばきちんとジュースを飲んでいれば、と思います。
のちのち煎茶の味がわかったころにいまさらジュースを口にするようになり、その味覚にワクワクするのは大人の特権なのか、子供のころのかけらを拾い集めているだけなのか。わかりませんがいまさら、たくさんのお金とない時間のなかにジュースを割り込ませて、ぽっかり空いた中にまた子供の目が宿っていく。しかし、買い集めていく本に違和感も感じる。道端で拾っていたビーズをデパートで買うような大人にはなりたくない。ぷくぷく沸いてくるたくさんのお話をつめこんだ図書室はやっぱり大切、と思うのでした。