秋よさらば

冬です。耳が取れたかとたびたび思う冬です。寒い。せめてもの救いに暑いというとさらにむなしく心に隙間風。
  
教科書の年譜に載るような日本文学であれば、私は夏目漱石の「吾輩は猫である」がもっとも好きでして、あれが毎日連載される新聞というのはいやがおうでも楽しみになろうと思ったものです。しかしだからといって集中して全部読みきってしまおうなど思わない作品で、暇があればつまむように読んで、そしてまた忘れたころに読むのでどうも全体がぼやけてしまう。なるほどこういった小説もあるのか、と森山は思うばかりでした。私は滑稽が好きでありますよ。