大阪と京都のいがみ合いはそらすごい。根本が似たもの同士だから?(これを言うとめっちゃ怒られる)

神戸とはパンとケーキの街である。神戸人のケーキ・パンに対するこだわりをあなどってはならない。しかも彼らはほとんどの人間がそれに無自覚であるのだ。港町であったこともあり、外国かぶれだなんて京都や大阪には言われがちだが、神戸は反論をしない。長年大阪と京都のいがみ合いを見てきた彼はすっかり日和見になっていた。そのため関西にありながら妙に浮いた街であった。大きそうに見えて小さかったり、小さそうに見えて大きかったりする神戸の特色はいまだ住む人間もつかみきれないものがあり、それが神戸人の個性を無自覚にしている。私は神戸の生まれだ。しかし神戸へやってくる知人にオススメする場所がない。よく観光客が言う「異人館」というものにもいった事がない。むしろそのあたりは異人館以外何もないようなところで、神戸っ子はそのもっと南で遊ぶことが大半だ。中華街もすすめるにはすすめるが、横浜に比べれば規模が小さいので関東の人には勧めがたい。だいいちめったに行かないし、食わず嫌いの土産NO1にもなった老祥記は有名だが、それしか私はよく知らない。あとは観光客がなぜか並んで買う551の豚まんがあるけれど、関西ではどこにでもある店なんだから、わざわざ行列に並ばなくてもいいのではないかと思う(行列ができる店とまったくできない店がある。阪急線の大きな駅構内にはよく店舗を見かけるし、通勤客用なのでとても暇そう)。ちなみに関西人は551の豚まんなんて幼いころからやたら食べているのでいまごろ珍しくもなんともない。最近私はこれが有名なのだと知って、なんだかひいた。
しかしパンとケーキだけは別である。神戸では小さな駅前であっても異常な早さでケーキ屋とパン屋は入れ替わり、サバイバルレースが繰り広げられる。昔私の地元では角という角がすべてパン屋かケーキ屋だったことがある(そしてそれがとても自然だった)。しばらくするとバラバラとつぶれていった(神戸人は新しい物好きなので、はじめは繁盛するのだがそれで調子に乗ると一気に客が減ったときに大倒れする)。別の都市では一流として扱われがちなブランドも、神戸では日常利用の店として扱われ、むしろその店が一流だと思っていない神戸人は多い。デパートなどにそういった店が入っていたり、新聞に広告が載っていたりするとなにか妙な気持ちになるのだった。(これは神戸人が金持ちだとかじゃなくて、ケーキとパンに費やすお金が他より割合として高いということ)そんな神戸人の一人である私はこれまでケーキについて、1位C3(シーキューブ)、2位ヴィタメールと順位をつけていたのだが(高価な店舗はおいしくて当然なので除外)、最近1位がかわった。HARBS。もう本当に感動した。価格は高めなのだけれど、その分ケーキは大きい。大きいのに胃にもたれない軽い甘さが特徴で、使用する果物の質もすばらしく、見た目もでっぷりとして写真に残したいほど。しかし本当に大きいので1ピース食べきれないのが難点か。二人でつつきあうのもまたよし、なHARBS。ぜひご賞味ください。
   
宣伝かよ!