大半は冗談で満ちている

たとえばバーで偶然耳にしたBGMについ「あらこの曲好きだわ」という独り言をあなたが言ったとして、その言葉を耳にした白いスーツを着た知り合いでもない髪をポマード的ななにかで固めている男性に「きみはこういう曲が好きなんだね」とふふんとワイン片手に言われたりしたとしたら、あなたはきっとワインボトルの底でその男性の鼻を垂直に押しつぶすことでしょう。それはたとえ男性がどれほど気持ち悪かったとしても、動機のひとつに自らの好みが露呈したということに対する恥じらいがあるのです。私はミクシーのコミュニティー一覧が非表示にできたらいいといつも思います。ボアダムスのアイコンの下にNASAのアイコンがあったりすると恥じらいでマラソンを始めてしまいそうですし、つげ義春の上にキキララとかもう顔の湯気で蜃気楼ができるね!
   
別にボアダムスNASAつげ義春もキキララも好きだしそのことに対しては恥ずかしいとは思わない!でもそれを好きだという私が明らかになるということに対してものすごい抵抗がある。第三者に見透かされる恐怖ね。まあ隠すほどの人間でもないんだけどさあ!それ言ったら終いだよ!
もちろんのこと実際に鼻を押しつぶす人なんてそういないってことを私はわかっている。なにせ選挙権をもった立派な大人だからね!