幸せな「世界が滅べばいいのに」

萩尾望都さんの短編集が今、ものすごく吸収できて危険なレベルに至っている。やばい。暴力的な自分が皮膚の下で大暴れしている感じ。感銘を受けるとそうなるのは生まれもっての仕様である。
本当にいい本は読み終わるとそれ以外のすべて(自分も)が世界にとって不必要であるように感じる。本のみが存在することこそが正しい在り方なんじゃないかとか思ってしまうから、まずすべてのもの(本を除く)に対する否定が一気に頭から噴出す。それから自己否定、他者への否定、世界という概念への失望となり、本がうらがえって世界が本にしまいこまれてただ本だけの世界になればいいのにと思う。本だけでいい。音楽やなんでもそうだ、作品に感動したときそれだけであれば世界は正しいのに! とひどく暴力的な感情になる。しかしそうなることはとても幸福なことであって、暴力的になればなるほど幸せな出会いをしているということなので「皮肉っすね!」という気持ち。ムキャー!(←感情を言語化するとこうなる)