原画展の絵

望都先生の原画展およびサイン会におじゃましました。モノクロ原稿は印刷してあるものとほとんど変わらず、下書きのあとや修正ホワイトなどがほとんどないことがまず第一に驚きでしたが、なによりもこの原稿用紙にははじめからその線があったかのようで、描かれている、というよりは浮かび上がってきたようでした。その自然さを目にした瞬間、望都先生の作品は世の中に生まれるべくして生まれた、大きな歴史の一部なんだと思いました。あるべくしてある作品。創作にそんなことがあるなんて思いもよらずなんだか切なくなってしまいます。カラー原稿もホワイトなどがほとんど使われておらず、生でみる色には現実より温かさや冷たさがあるように思えました。とんでもないです。原画展は全国を巡回をするのかわからないですが、是非とも全国に回ってほしいです!
サイン会は朝の10時から整理券配布ということで、私みたいな関西在住は、新幹線の始発に乗ったとしても間に合いません。というわけで前日から泊まりでやってきました。(夜行バスは私には不可能。5分のバスでも酔うぜ!)そしてまだ夜の午前3時に起きだし、あまりに外が夜なので躊躇したりしているうちに4時過ぎ。この躊躇がいけなかったのか、もともと都内の始発が走り始める前に並んでしまおう、あわよくば一番を、と思っていたのですがそれは叶うことがありませんでした。同志ともいえる数人のうしろに並んで6時間、冬の寒空との葛藤だったわけですが、まあ死にますよね。おかげさまで野外フェスで必ず発症するザ腰痛くんが「年末だね! いえーい!」とか言いながら帰省してきましたよ。あとあまりに身体的ダメージが大きく、整理券をもらってからちょっと休憩していたら、どうやら整理番号はサインをいただく順番ではなかったらしく、サイン会の会場に来た順で、ふつうにみなさん券をもらったあと並び直ったらしいです。1番にはどのみちなれなかったのでさほどショックは受けませんでしたし、配布2時間前にすでに定員100名の二倍にはなっていたので早く来たのは正解だったのでしょう。はい、腰痛は私の弱さが原因です。クッ。(悔しそうに拳をにぎる)
さて、午後は先生のサイン会です。先生が登場した瞬間、不意にぼたぼたと泣いてしまいそうになり、これはだめだ!恥ずかしい!と思って必死で耐えました。私もまさか先生のお姿を拝見しただけで泣くとは思ってもおらず、不意をつかれ鼻は間に合わなかったのでひたすらすんすん言ってました。仏様のようだというのは編集さんから伺っていたのですがまさにその通りでした。め、めのまえにモー様が……! 泣いてしまうわ! いっぱい質問もしたかったけど並んでいるし無理でしたが、今度また担当さんを交えてお話しましょうとおっしゃっていただき、そのお気遣いに感激してしまいました。すみませんずっとしゃべり続けようとして……。本当にすてきな方でした、お会いできてよかった。ああサインどうしよう、どこに飾ろう……。財布に余裕があれば複製版画も買っていたかもしれません。阿修羅の版画はすてきすぎました。まあ売り切れてましたけどね!
並んでからサインをいただくまで何一つ食べておらず、計12時間ほど空腹で過ごしていたようなのですが、空腹中枢どころか胃でさえ鳴らず、食べていないことすら忘れてしまいましたよ。終わって原画展から出た瞬間おなかが鳴ってやっと思い出しました。しかも今日は髪がなぜかCMみたいにサラサラになっていて、ああ人体ってふしぎですねと思いました。