最果タヒ

わたしの筆名は「最果タヒ」というのですが、タヒが死に似ているとたびたび言われてそのたびに「偶然の産物です」と答えている。指摘されるまでそんなことにはまったく気付いていなかったというその「死」に対する無頓着さを、むしろ見てほしいぐらいです。
   
死ぬということに対してそこまで意識的になるものかな、といつもおもう。恋愛と同じぐらいおもう。恋愛もなんで恋愛に対してそこまで意識的なのか、恋愛だけを特別扱いするのかについて気持ち悪くおもう。どっちも生まれたときは知らなかったものじゃん。いつか自分が死ぬことに恐怖する人って多いといううわさだし作品でもよく読むけれど、どのていど恐怖しているのか、本当に死ぬ瞬間に比べてどの程度のものよ、と思う。だって若者なんて、自分の若さが永遠だってどこかでおもっているもので、そんな若者が死に恐怖するって、もうあえてその方向を見ているとしか思えないわけで、私はそういうのがふしぎだなーとおもいます。近似すればおまえらなんて不死身なんだよ、死なんてないに等しいんだよ。なんでそっちばかり見るのか。遠いのに。死なんかにそこまで求心力があるとはおもえないんだけど、ほんとふしぎ。