虚構さん

フィクションはすばらしい。模範とは言えない発想がフィクションとして描く限りゆるされる。それはきっとだれもが、それは自分たちの住む世界の中のできごとではないから、どれほどの屈折が起ころうと現実は、黙認する。
   
屈折であることを認めるべきだよ。模範的な発想ではないと、確かに認めるべきで、そこに向き合うべきだよ。苦しみや絶望をもたなければ、表現者になれないなんて言うのは嘘だ、それはひとつの流行でしかない。偏愛でも、屈折でも、反抗でも、幸福でも、模範ではない自分の一部を、見つめればいいんだよ。