雨は割れて、壊れて消えて

ニュースで薬師寺の東塔がとりあげられていますけれど、なんだかたいてい「凍れる音楽」という言葉をともに取り上げていて、これは、フェノロサさんが東塔を見て、表現した言葉なんだそうですけれど(わたしとっても無知だから知らなかったのー☆)
   
「凍れる音楽」という表現はすばらしいね、冷たさによって音楽は止まり、ただ同じ音が鳴り続けている、この先ではどんな音が鳴るはずだったのか、その昔はどんな音が鳴っていたのか、その可能性が無限に拡がったまま凍りつき停止している 永遠と無限と冷たい停止が たった一音に閉じ込められたような
この言葉を耳にして、なんだかふしぎと東塔ではなく、雨を思い出しました 雨のひとつぶひとつぶが凍れる音楽であるように思え、次に鳴る音も、前に鳴った音も、あのしずくの中に閉じ込めたまま、地面におちてはじけて消える、そんなことを思いました しずくは音符の形でした