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 下克上たち

女子高生のころなんでも「ぶっちゃけ」という言葉からはじまる目上の人へのかみつきが、同級生の間でよく見かけられて、私ももしかしたらその一部だったかもしれなくて、とにかく勝手にコンプレックスいだいて、勝手に相手を上に見て、そのうえで下克上気分で文句言ってみたりして、わあ自分って勇気ある!なんて思っちゃうの、どうしようもないなって思った。自分より立場が下だと思っている相手に対して、えらそうに物を言って悦になるのは、人間として最低だけれど、かといって自分より立場が上だと思っている相手に対して、えらそうに物を言うのはロックでカッコイイのかといえば、そんなわけがない。相手が誰だろうと大事なのは話す内容であって、相手がえらかろうがそんなのは関係がないのだ。でも当時私の周りではそういうやりかた、勇気ある噛みつき、みたいなものが、特に評価されがちで、むしろ目上の人に噛み付いてりゃよし、みたいな風潮すらあった。言ってることはともかくその勇気に乾杯、みたいな。でももともと、そういう目上の人に意見を言えちゃうっていうそのかっこよさは、相手の立場になどとらわれずに思った事をちゃんと言える、っていうそのフラットさがかっこいい、って話だったはずで、周りにいるのは目上ばっかりじゃないはずなのに、目上にばっかり噛み付くのはフラットとは言えないんじゃないだろうか。噛み付いている人の意図はそれぞれ違うだろうけど、中にはロックでかっこいい、という第三者からの評価を期待しているようにしか見えなかったものもあって、ぶっちゃけそんな下克上かっこわるすぎだろ、と思うこともあった。それで私は「偉い人もたいへんだな」ってちょっとだけ思った。