絶対安全プロポーズ

そういえば夢で、私は男性になっていて、小さなころからずっと一緒にいた幼なじみの女の子にプロポーズするため、彼女の誕生日に向けて指輪を雑貨屋で買おうとする夢を見た。もういろいろとこじれすぎてわけわかんなかったけれど、絶対OKしてもらえると思い込んでいる主人公の大バカなかんじが甘酸っぱくてとてもよかった。私はいろんな夢をみてきたけれど、一番幸せそうな夢だった、とは思う。たぶん、プロポーズを実際にして、成功する夢よりも幸せな夢だった。あんがい何事も、結果よりも、過程の時点で、ピークがくる。幸せも不幸も。きっと、結果が出る前は0にも1にもなる可能性があり、その可能性が0と1それぞれを際立たせているのだ。幸せになるかもしれないけれど不幸になるかもしれない、というときの「不幸」は、実際に訪れる「不幸」よりも恐ろしい。もう一つの幸せという可能性が不幸の色を一層濃くするのだ。そして、それは幸せの場合だって同じで……。と、いうことはいつだって、悲観せず楽観的でいられる人が、世界で一番幸せなのかもしれない、単純な成功者よりも。