世界地図が完成しちゃった後の世界ってかんじね。

インターネット始めた時、小学生で検索という概念を知らないまま3年ぐらい過ごしたし、ぐぐるっていうのをくぐるだと思ったまま高校生になってたし、そういうの今は一周まわっていい思い出だと思ってる。マニュアルがないまま自分のわかる範囲で遊ぶというのが成立するのはあんまりなくて、なにやってても、絶対誰かが教えてくれて、それはありがたいんだけれど、未知が未知のままころがって、それぞれが好きな陣地に居座っているのはそれはそれでおもしろかったし、社会ってこんなもんなのか、となんとなく楽だった。全知全能であるかのごとく振る舞うのが大人だと思っていて、でもそれは子供向けの顔だったわけで、大人の素をみつけちゃったかんじだ。当時はインターネットもそんな栄えてなかったし、みんな自分のいるところ以外はよく知らなかったからなのかな。今だとそういう雰囲気はあんまりなくて、大人はネットでも大人の顔をするし、子供は子供の顔を使っている。世界地図が完成しちゃった後の世界ってかんじね。
   
小説「渦森今日子は宇宙に期待しない。」という本がそろそろ出ます。西島大介さんがイラストを描いてくださり、川谷康久さんがデザインです!帯文はなんと大森靖子さん!(「かけがえのないマグマ」もよろしくね!)文庫なので600円ぐらい。yomyomで連載していたやつで、ここのブログが好きだという編集さんにブログの文体で書いてみませんかといわれてはじまったこの小説。詩とはまたちがう文体なので、詩が好きじゃないっていうひとにも、ブログしか読んでないって人にも、気に入ってくれる人がきっといると思っていて、しかしそれをどう伝えていけばいいのだろうとちょっと悩んでいる。私は自分の書いているものが密接しているかんじではないから、媒体によっても形式によっても好き勝手に変えているし、そもそもいろいろやってみるのが好きなので、だから私のこの本は好きで、これは嫌い、とかもあるだろうなあ、と思っている。だから、どうやってこの本を好きだと思ってくれる人のところに届けられるか、というのは最近の悩みの種で。どうせなら好きになってもらいたいもんね。ということでブログの文体をもしすこしでも面白いなって思ってくれたらこの本も気にして見てくれたりしちゃったらわーいってかんじです。2/27発売!もしもし万が一気に入ってくれたら、となりのだれかにもオススメしてね!
   
冒頭部を引用しますね。

 簡単に言えばここは宇宙探偵部で、ついでにいうと私は宇宙人です。OK? 宇宙人は妄想とかじゃなくて本当に宇宙からきた異星人なので、「え、まじで?」とか言われてもこっちだって困るの、あなただって、「え、きみ地球人なの? まじで?」とか急に言われても困るでしょ、はいとしか言えないでしょ。つまり私も、「宇宙人ですけど?」としか言えないし、だからこの話は終わり。とにかく納得してもらいたいわけです。あ、あと、宇宙探偵部というのは宇宙関係のことを探偵する西赤石高校の部活動なんだけれどまあ、これはよくわかんないってのもわかるし、でも私・渦森今日子に言えるのは、そのうちわかってくるから今は聞き流そうよ、OK? ってだけで、まあ、あなたの気分が最低じゃなきゃいいなって思います。OK?

ぜひぜひぜぜひひぜぜぜひひ!
   
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