詩集が出ます。ので、詩の話。

自分の詩は、巣立っていくものだと思っています。
だれかが読んでそれに対してなにか思いを抱いたとき、やっと完成するような気がしています。自分の詩は、そのために書いているとすら思います。だから、詩は、半分は読んでくれた人のもの。私が、「読んでもらうこと」にこだわるのもそのためです。
もちろん、読んでもらうことが、詩の絶対的な価値を決めるとは思っていません。色んな考えがあるし、詩があります。でも、私の詩においては、読まれることで、読んだ人の手元で、やっと完成されると考えてます。読んでもらえなければ、意味がない、とも。
   
詩には具体性が少ない分、読んだ人なりの解釈があって、ぜんぶばらばらで、どれも正しいとか間違っているとか言えなくて。そしてそれらこそが、私にとって大切なもの。私は自分の作品が好みではなく、書いていて楽しいけれど、書き終わった作品に対しての執着はあまりない。だからこそ、誰かが読んでくれて、伝えてくれた感想のほうに執着するし、作品よりそっちのが大切なのです。
伝わるとか、わかってもらうとか、そういう事ではなくて、届くことで、そこで「?」だろうが「!」だろうが、とにかくなんらかの感情が誰かに生まれることを大切にしたい。そしてそのために、「届く」本を作りました。
   
詩集がでます。8月27日に、リトルモアから。
「死んでしまう系のぼくらに」というタイトルです。
詩集なんて買ったことないよってひとにも手が伸ばしやすいように、お値段を通常の詩集の価格よりずっと安くしました。
     
今まで、詩ューティング(詩のシューティングゲーム)や、詩を書いている最中の動画、詩のシーケンサーなど、いろんなものを作って、届けることをがんばってみました。これまでよりずっといろんなひとが振り返ってくれて、凄く嬉しかったし、だからこそ、今、本を作るべきだと思ったのです。
本を沢山の人に読んでほしい、と思うのは、俗的だと言う方もいるかもしれません。読んでもらいたがることをかっこわるいって言う人もいるかもしれない。私も、読まれなくていいんだと言いきるかっこよさには憧れます。でも、なんでかはわからないけれど、私はそう願っちゃった。しょうがないから、そのために、これからもがんばります。
     
いい本にします!
たくさんの人に届きますように!
    
    
「死んでしまう系のぼくらに」(リトルモア

  
ブックデザイン:佐々木俊さん
帯コメント:高橋源一郎さん
   
ネットでいっぱいのひとが読んでくれた、「夢やうつつ」「お絵かき」「きえて」、
新聞読者さんに感想たくさんいただいた「恋文」「夜、山茶花梅雨」、
tumblrtwitterで公開して来た詩のうちよりすぐったもの、などなど、
もちろんたくさん書き下ろしも収録しています!
   
いま、AmazonリトルモアWEBhontoで予約受付中です!