不在ちゃん vs 歴史くん

私はどこかで、言葉だけがそこにあればそれだけでいいと思っています。作者という存在は、作品にとってただただ邪魔なんじゃないかとも思ってしまうのです。作者像から離れたところで、作品に触れていてほしい。そして、だからこそ今まで、イベントなどはやらずにいました。でもあのライブ感。イベントでしか生まれない言葉があるような気もして、今回、私ではなく「言葉」だけが登壇するイベントをやってみようかと思います。リアルタイム。ライブ感。言葉が、どんなSNSよりもどんな本よりも早く、タイムラグ0で私から投げ出されていく現場です。その場所が、私の原稿用紙になるような、そんな感じだと思っています。
11/18神楽坂のラカグにて、『空が分裂する』刊行記念で、作家の福永信さんとトークイベントをやります。といっても、私は会場におらず、LINEにて詩を書いたり、質問に答えたり、「言葉」として出演します。福永さんと詩を共作したりもするよ。単行本未収録の詩が読める的なお土産も用意する予定です。peatix.com
言葉が分裂する。たった一つの意味を、封じ込めるために言葉はそこにあるわけじゃない。ただの景色が、誰かにとっては悲しく、また、誰かにとっては喜びであるように。ただの海が、山が、どこから眺めるかによって、まったく違う景色に見えるように。言葉はそこにあっても、分裂していく。今回は、福永信さんといっしょに、言葉が分裂し、そうしてひらかれていく時間を、作れたらいいなと思っています。よろしくおねがいいたします。チケット購入は上記リンクからってかんじです。
   
で、お土産。単行本未収録の詩を何個か集めてZINEでも作るかな、とこたつで思ったので、作りますが、それにあたって、昔の詩をいくつも掘っていたんだけれど、自分が書いたからかもしれないけど、なんかおもしろかったよ。といっても私はフロッピーに初期は書いていて(どうだ、時代を感じるだろう!)、それについてはどっかいったので、穴だらけではあります。もともと自作にたいして書き終わったら興味が失せてしまって、だいじに保存、とかしてないからフロッピーにあると思っているだけでないのかもしれない。そこまで大事にするべきだと思わないし、当時もそう思っていた模様。この雑に扱われる感じ。作品たちがどう思っているのかは知らないけれど、でも私なら雑にされるのより、本に入るほうがちょっと嫌だとかおもっちゃうなあ。なんとなく本に入るか入らないかで、詩のまとうオーラみたいなものも変わる。変わってしまう。入った瞬間、作品の時間が固定されちゃう感じがするのだ。だから、いい意味でも悪い意味でも、未収録作には曖昧な時代感が出ておもしろい。昔の詩を見つけて、おもしろがったのも、結局は群れになっていない、時間のタグがついていない、そのせいなのかもしれないね。本にすることは歴史にすること、もしくは時間のタグ付けだとして。うーん。意外と、女子高生のブログとか、月日をランダムに表示したりするとおもしろいのかもしれない。
   
話は変わりますが、ブックデザインでお世話になっている佐々木俊さんに、最果タヒのロゴを作っていただきました。やったーい!かわいいー!魔法陣的ロゴ。パイナップルという意見もでてまいりましたので、パイナップル召喚の魔法陣かもしれません。わあ〜南国〜!(うれしい)ずっとうさぎのアイコンを使っていましたが(あれは書店さんで書かせていただいたポップを写メっただけの画像だったりする。このスキャンすらしていないという雑さに動悸)、ついにもろもろ変わります!お土産のZINEの表紙にも使う予定です。
   
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