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 魔法少女が分裂する

人を好きになるのはすばらしいに決まっているとかいう考え方がある限り、愛を言い訳にした自意識や願望や幻想の押し付けはこの世から消えないだろうな。
こうみると、まどかまぎかのほむらはやっぱり素敵だなあ、と思う。(以下、まどかまぎかのネタバレになります。ネタバレOKの方は、右端の「続きを読む」をクリック)
   

   
ほむらが大切に思っているまどかは、自分が何の特徴もない少女であることをすごくコンプレックスに感じているんだけれど、実は、ほむらが最初に出会った時間軸のまどかは、魔法少女としての力を手に入れて自信に満ち溢れていたわけです。自信がなかったころのまどかは、たぶん、「力はないのに優しさはある」という状態で、どうすべきかはわかっても、それをできない自分という状況が続いてきたため、コンプレックスの塊になっていたのでしょう。けれど、そこに魔法少女という力が加わり、「優しさを執行できる力」が身についたことで、むしろ元気いっぱいの明るい少女に変わります。問題は、ほむらが最初に会ったのは、この「力を手に入れたまどか」であることなのです。気弱なほむらをむしろ引っ張ってくれる側だったまどか。そうしたまどかに友情をかんじ、ほむらはまどかを助けるべく、時間軸を移動するわけですが……ほむらは、移動した先の時間軸で、見たこともない「気弱で自信がなくて力もなくてただ自分の平凡さを恥じている」そんなまどかに出会います。元気だったころのまどかなら決して言わなかったことや、しなかったことも、弱いまどかはしたでしょう。けれど、ほむらの助けたいという気持ちは変わらなかったし、一度だって、「私が大好きなまどかは、そんなこと言わない!」みたいなことを言いません(たぶん。特に確認はしていないので、たぶん。)。これが素晴らしいと思う。自分の幻想としてのまどかではなく、人としてのまどかを、心から好きでいるほむら。これは、その友情の証だなあ、と思うのでした。