夜空と青と感情

私たちは孤独でなければいけないし、そのために毎日夜は来る。という説がある。頭の中に。星座の知識は残っていたって、それを星空から見つけることはなかなかできない。夜空はどんな解釈をしたっていいのだと、不思議と身勝手に考えることができる対象だ。好きに星座をつくってしまってもいいや、あれが火星ってことにしてもいいや。実際そんな風だから星座は生まれたんだろうし、なにより夜はそういう時間だから、だから夜空は夜にふさわしい。
   
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』という詩集をだしました。リトルモアさんからです。デザインは佐々木俊さん。帯文は松本隆さん。本当にピカピカしている気がする、できあがってドキドキしてしまった、著者なのに、著者だからかな。わっという声が漏れた、著者なのに、著者だからかな。ありがとうございます。こうやってまた出せたのはこれまで本を手に取ってくれた人たちのおかげです。
詩は読まれないなんて、そんなことはないよって、ちゃんと詩は届くんだよって、私の詩を読んでくれる人たちが教えてくれました。詩集を出す勇気を、読んでくれる人たちにもらっています。私にとって私の詩は、読んでくれる人と私の間に存在するもの。読んでもらえて、きっとやっと完成するんです。あたらしい詩集をだすのは本当に怖いけど、でも、だれかの本棚や枕元に私の詩集がそっと置かれる瞬間があるなら、怖さはだんだん恋みたいなドキドキになります。
新しい詩集、よかったら本屋さんに迎えに行ってみてくださいね。
   
青色という言葉で人が想像する青は、それぞれ全く違う気がしている。海みたいな青、空みたいな青、薄い青、水色、濃い青。それでもそれらには共通する何かがあって、それを、わざわざ共有しあったりなんてしないけれど、それでも人が街ですれ違うように、ふと共鳴するときがある。少しだけ、色が変わる。その人自身がまた少しだけ、青を知る。知って、新しいその人の青を作る。影響し合うのともまた違って、それでも孤立していない。私はそんなさりげないつながりが好きだ。街ですれ違う人すべてが人間である、というそれぐらいの、根本的でもう意識することもない共通点が、そこにはある。
私は、レンズみたいな詩が作れたらな、なんてことをずっと言っていて。詩を通じて、読んでいる人のいつもの光景が、日常が、少しだけ見た目を変える。その変化こそが、そこで見えたものこそが、たぶん完成品なんだろう。そうしたかすかな存在になれたらいいな。だってその人たちが見ているものは、感情は、どれもがすでにうつくしいから。
  
夜空はいつでも最高密度の青色だ
  

詩集には、一部書店さんで購入特典があります。佐々木俊さんデザインの詩のカードがもらえます。
配布リストはこちらのリンク参照。
http://www.littlemore.co.jp/news/books-magazines/201604191099.html
   
荻窪の書店Titleさんでは、『夜空はいつでも最高密度の青色だ』の展示を開催。
佐々木俊さんデザインによる展示物。青焼きという手法ですべて印刷しています。
詳しい開催日時などはこちら。
http://www.title-books.com/event/1063
   
『夜空はいつでも最高密度の青色だ』サイン本も作りました。数量限定です。
今回は詩の一文もサインと一緒に書きました。

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